明石貴子(姉)
治験コーディネーター(CRC)
大阪SMO部 CRC
大阪治験病院勤務
新卒 2015年入社
薬学部卒
明石智子(妹)
治験コーディネーター(CRC)
大阪SMO部 CRC 
OCROMクリニック勤務 
新卒 2015年入社 
薬学部卒 

「薬」+「人と関わる」+「資格が無くてもOK」
が惹かれたきっかけ

CRCという仕事に興味を持ったのは、どのようなことがきっかけですか?

明石 貴子(姉/以下「貴子(姉)」):大学では薬学部で学び、入学時は製薬会社で薬の研究や開発に携わりたいと思っていましたが、大学時代に接客のアルバイトを経験して、人と接する仕事の楽しさを知りました。
治験については大学の授業で学んだことはあったのですが、その頃はまだ自分の中で人と接する仕事の楽しさと治験が結びついていませんでした。就職活動の前に、CRCをしている大学の先輩が大学にいらして、CRCの仕事についてお話くださる機会があったんです。そのときに、「CRCは人と接する機会があり、薬開発にも携われる仕事だ!」と気づき、とても魅力的に感じて興味を持ったのがきっかけです。

明石 智子(妹/以下「智子(妹)」):私も同じ大学の薬学部出身ですが、薬剤師の免許が取れない薬科学科(4年制)で学んでいました。研究機関の品質管理部門や健康食品の会社に就職する人が多い学科なのですが、私は薬学部で学んだことを活かして薬に関わる仕事がしたいと思っていました。
そのような軸で就職活動をしていくなかで、「CRCは医療系の資格を持っていなくても医薬品開発に携われる仕事」だと知ってとても興味を持ち、CRCの求人を探しました。

CRCとして経験を積む&大学の先輩が働いている
=ブラックじゃないはず(笑)

志望した理由や入社を決めた理由をお聞かせください。

貴子(姉):大学の同じ学科の先輩でインクロムに入社されている方がいたことが理由の1つです。この先輩がいらっしゃるのなら安心だと思いました。
そしてもう1つ理由があって、それは、インクロムがCRCの仕事に集中して働ける会社だと思ったことです。
具体的には、インクロムが長年にわたって治験支援経験のある、治験に特化した会社だということ。治験実施施設が3施設あり、治験に必要な第I相試験から第Ⅳ相試験まで、すベての相の治験に携わることができること。そのような環境であればCRCとして多くの経験が積めると思い、インクロムを選びました。

智子(妹):CRCを募集している会社は他にもあったのですが、自分なりに調べてみると、他社のCRCはいろいろな施設を掛け持ちして少しずつ治験に携わるところが多い印象を受けました。
インクロムの場合は、提携医療機関の中核の施設が治験専門の医療機関で、固定の施設で働きながらCRCの仕事を身につけられる。それが私にはとても魅力的だったため、インクロムを選びました。
貴子が先ほど話していた”インクロムで働いている同じ大学の先輩”のことは私も存じていて、あの先輩が長く働いている会社ならブラック企業ではないだろう、という安心感もありました(笑)。
大学での会社説明会で、貴子と一緒に資料を受け取り、「結構良さそうな会社だね」と話したのを覚えています。その後、話し合ったわけではないのに、私も貴子もインクロムを受けることに決め、そのことを互いに知った時は「え、私も受けるねんけど!」と驚きましたね(笑)。

「1回説明されて終わり」ではなく
「できるようになるまで繰り返す」から身につく

仕事を受け持つようになるまでの研修やフォロー体制はどのようなものでしたか?

貴子(姉):まず新入研修が約2週間ありました。そのときに、会社の成り立ちやGCPと呼ばれる治験を実施する際の医薬品の臨床試験実施の基準に関する省令などを学びました。
その後、問診のシミュレーションを含んだ社内研修を経て担当部署に配属されました。最初の頃はOJTという形で上司や先輩を手伝いながら実際の治験の流れ、作成すべき資料についてのノウハウなどを学びました。
新入社員研修後も、年に数回フォローアップ研修や2ヵ月に1回の問診シミュレーションと、スキルアップの機会が多くあります。同期が集まる機会なので、困っていることや経験したことなどを話して、互いの知識やノウハウを共有しています。

智子(妹):新人研修では、「治験実施計画書の読み方」や「読み始めるポイント」、治験に必要な資料や、よく出てくる用語などについても説明がありました。正直なところ新入研修のときは、教えていただいたことが自分のなかで知識として落とし込めていませんでした。
でも、実務をしていくなかで、「これ、新人研修の時に聞いた!」とか、「そういえば、ここから読み進めたらいいと教えてもらった」というように、“点”としてあった学んだことが現場でどんどん“線”になって、実際に役立つノウハウとして繋がっていったんです。
新人研修のときの資料は今でも持っていますし、後輩に教える時にも活用しています。

担当した治験薬が承認。
偶然、その薬を使う方と遭遇

CRCとして働くやりがいはどのような点でしょうか?

貴子(姉):やりがいを感じることはたくさんあり、そのなかの1つに、データ収集に関することがあります。
治験で得たデータを治験依頼者への提出が必要で、的確で綺麗なデータをタイムリーに報告する必要があるんです。
採血や血圧測定など、データを集めること自体は一見するとシンプルな作業に思えます。でも実際は奥が深くて、たとえば血圧測定だと被験者がベッドに寝たままか、座った状態で行うのかなど、治験ごとに細かく指定されています。これをきちんと行わなければ正確なデータを収集できず、治験を進めることができません。
CRCは、問題なく指定通りに検査が進むよう事前調整をしっかり行い、看護師をはじめとした現場で測定を担う方々に検査のやり方や手順をきちんと伝えなければならないんです。
データを提出するまでの一つひとつの積み重ねが治験にとってものすごく重要であることを、経験を積むごとに実感しますし、責任とやりがいを感じますね。

智子(妹):私は、第Ⅱ相試験や第Ⅲ相試験という、薬の開発のなかで比較的終わりに近い段階の仕事を受け持つことが多かったのですが、入社2年目頃に担当した治験薬が承認されたんです。偶然、その薬を使っている患者に出会い、一般診療で使われていることを知って、ものすごく嬉しかったのを覚えています。
もちろん私が関わっていたことは言えないのですが、心のなかで「私、この薬に関わっていたんです!」とテンションが上がっていました(笑)。ごく一部ではありますが、私の仕事が薬の開発の一助になったことを実感し、CRCの仕事にやりがいを感じた瞬間でした。

700名規模の治験も、期間短縮も。
創意工夫でCRCの仕事はもっと面白くなる

印象的だった「成功体験」を教えてください。

貴子(姉):入社3年目くらいから、私はワクチンの治験を担当することが多くなりまして。最初はインフルエンザワクチンの治験で被験者数十例から始まったのですが、少しずつ被験者数が増え、ある時、700人の治験を任されたことがありました。
当初はスケジュール管理や1日の業務の流れがまったく想像できず、どうしよう……と思っていましたが、多くの方々がご協力くださったお陰で700人の方の参加が実現し、治験終了まで無事に終えることができました。
その後も数百例が必要な臨床試験を任せられ、会社からも評価されているのかなと感じています。任された試験はしっかり最後までやり遂げたいと思いながら、日々がんばっているところです。

智子(妹):治験の実施は、社内調整はもちろんですが、治験の依頼者、被験者など、社外の方々との調整も必要です。
被験者のスケジュールをうまく調整し、依頼者が計画していた治験実施期間よりも前倒しで完了できたことがあるんですが、そのとき依頼者から「データ解析も前倒しででき、とても助かりました」とお礼を言われたことが、私の大切な成功体験です。自分の仕事が自社だけでなく、社外の方々にまで良い影響を及ぼしたのだと感じられて、とても嬉しかったのを覚えています。

困ったときは即相談。
「こんなこと聞いてもいいのかな」なんて心配は無用

逆に、困難に感じたことはありますか。また、それをどのように解決されましたか?

貴子(姉):入社当初、難しいと思っていたことは大きく分けて2つありました。
1つは、治験で使われる用語や必要な書類に関することです。治験実施計画書には分かりにくく難しい言葉が使われて、最初の頃は読み込むのにとても時間がかかっていました。ワークシートや治験の流れを決める手順書、そこから派生する書類など、作成する書類が想像以上に多く、慣れるまでは大変でした。
もう1つは、優先順位づけや判断が難しい場面が多いことです。CRCの仕事は書類作り・被験者からの電話対応・先生や治験依頼者への報告などすべきことが多岐にわたるうえ、それらが同時並行で進みます。ときには突発的なことも起こり、社内確認だけで良いのか、治験依頼者も含めて確認したほうが良いのかなど、判断が難しい場面に直面することもあります。
仕事に就いたばかりの頃は、何を優先すべきか、治験依頼者に報告すべきなのか判断しながらすべての業務を回していくのがとても難しかったです。
でも、インクロムには、困ったときにすぐに相談できる先輩や上司が近くにたくさんいて、気軽に相談できる雰囲気があります。これはとても心強く、今では、ほかの方に任せられる仕事は手が空いている方にお願いできるようにもなり、どうしたら良いのか困ることはかなり減りましたね。後輩が困っていたら、今度は私が助けてあげたいと思っています。

智子(妹):私は新人の頃、薬や疾患の名前は知っていても詳細が分からないということがたくさんありました。薬の数は本当にたくさんありますから、初めて聞くものも多かったです。
もちろん最初は自分で調べるのですが、調べてもわからないこともあって、そんなときは、施設常駐の専任の先生に聞きに行っていました。薬剤師や臨床検査室技師、看護師に相談して教えてもらうこともありましたね。
皆さんとても忙しいなか、丁寧に教えてくださいました。治験の専門施設で同じ経験を経ている方が多いからこそなのかもしれませんが、新米CRCが安心して仕事に邁進できる、ありがたい環境だと思っています。

「ちょうどいい距離感」の仲間たちは
仕事でもプライベートでも心強い味方

職場の雰囲気や一緒に働く仲間についてお聞かせください。

貴子(姉):医療現場だからといって常にピリピリしているわけではなくて、趣味の話など仕事以外の話も気軽にできる、和気あいあいとした雰囲気ですね。職場の先輩や後輩とは、食事に行ったり花見やUSJに遊びに行ったり、仕事だけでなくプライベートでも仲良くさせてもらっています。だからといって、ベタベタした感じではなく、心地よい距離感で居心地がいいんです。

智子(妹):姉妹でも仕事の話をするのですが、違う施設の担当者とも、内線で話すタイミングで情報交換をしています。同じ治験を複数の施設で行うことは多いので、「こんなところでヒヤリハットがあったよ」とか「こうやったら流れがすごくよくて所要時間が短くなったよ」など教え合っています。CRC同士、「そちらはどうやっていますか」と気軽に聞きやすいですし、やりとりできる先輩や同期、後輩がたくさんいるので心強いです。
気負いなく雑談もできますし、ピシッと切り替えて仕事モードになることもできる。オンとオフの切り替えがきちんとできていて、和やかな雰囲気のなかにもプロとしての凛とした空気感もある、そんな環境です。

ライフステージに合わせて働き方を変えられるから、
CRCとして長く活躍できる

福利厚生やキャリアアップ体制など、メリットをお聞かせください。

貴子(姉):インクロムのCRCは女性の割合が多いので、産休や育休制度を利用し、出産後は復帰してバリバリ働いている方も多いんです。なかには3人のお子さんを出産している先輩もいて、結婚や出産を経て活躍されている姿を見ると、すごくカッコいいなと思っています。先輩たちの様子を見ていると、私自身、結婚や出産後も働いていける会社だと感じています。

智子(妹):育休もそうですが、時短勤務ができるので、それを利用している方もいます。また、時間単位の有給休暇もあって、「この日は少し早く帰りたい」といった個人それぞれの思いや都合にかなり寄り添ってくれています。
そういう環境もあって、全国平均と比べてインクロムの離職率はかなり低いと聞いています。10年20年務めている方もいるくらいなんですよ。

ずっとCRCとして働ける。
ずっと経験を積み重ねていける

キャリアビジョンはどのようなものですか?

貴子(姉):CRCとしてインクロムで働きはじめて10年目。今のところインクロムを出ていく気持ちはなく、できるだけ長くこの会社で働き、さまざまな病気の治験を経験して、知識をもっと深めていきたいです。
施設の看護師や薬剤師はもちろん、治験にご協力くださる被験者や製薬会社の方々からも信頼されるCRCになれるよう、これからも丁寧な対応を心がけ、がんばっていきたいと思っています。

智子(妹):社内には長く働いている先輩方がいますので、その背中を追いながら、私もインクロムで長く働いていきたいと考えています。
これまで紙の資料がメインだった治験も、電子化の時代に変わってきています。今はその過渡期なので、システムやデータのトラブルが起こることもあります。そのような場合に、社内だけでなく社外の方々にもちゃんと意見を言えるような、そういうCRCになっていきたいと思っています。

最後に、インクロムへの入社を検討している方へメッセージをお願いします。

貴子(姉):CRCは人と人の間に立って調整を行う場面が多く、ときには限られた時間のなかで判断を迫られますし、大変な仕事だと感じることもあるかもしれませんが、治験業界で歴史の長いインクロムには、CRC歴10年、20年の先輩がたくさんいます。困ったことや分からないことがあっても、経験豊かなプロフェッショナルな先輩に気軽に相談できる環境が整っています。
インクロムは、CRCを目指している方にとって学びが多く働きやすい会社だと、私自身が実感しています。CRCとして経験を積みながら長く働きたい方には、インクロムをお勧めしたいです。

智子(妹):医薬品開発をしたいと、製薬会社を検討されている方もいらっしゃると思います。もちろんその道もやりがいあるものだと思いますが、製薬会社では被験者の意見を直接聞く機会はなかなかありません。
CRCは製薬会社と被験者の真ん中のポジションで、それぞれが思う良い点や良くない点、どちらの意見も直接聞くことができます。人と関りながら薬に携わる仕事をしたいと考えている方に、CRCはピッタリな仕事ですね。
固定の治験実施施設でじっくり働けて、多くの患者や関係者と関わることができるのがインクロムの良いところ。なので、腰を据えて働ける環境をお探しの方は、ぜひ検討してみてください。

(公開日:2024年〇月〇日)